半径3メートルの

本を読むのが好きです。

子どもの頃からそうでした。

 

小学生の頃の休み時間、ひとりで本を読んでいる時間が長かった。

クラスメイトから無視されていた時に僕を救ってくれたのは本だった。

 

高校生の頃、学校の授業がおもしろくなくて本ばかり読んでいた。

特に数学の授業中は捗った。

 

大学生の頃、大学には最低限しか行かず、ひとりの時間は本ばかり読んでいた。

心身の調子を崩して泣きながら実家へ帰る時、着替えと一緒に一冊の本をカバンに詰めた。

 

社会に出てから、本屋で自己啓発書やビジネス書を買い漁った。

仕事がうまくいかなくなると即時的な打開策を求めて本を読んだ。

 

 

振り返ってみれば僕にとっての本とは「逃避」だった。

 

 

本を読んでいる間は現実から目を逸らしていられる。

本を読んでいる間はそこに書かれていることを完璧にこなせるスーパーマンになっている。

自分には肉体という制約があることを忘れて。

 

僕の興味は常に現実から離れたところにあった。

世界は広く、自分のいる場所は今ここではない。

本で得た知識や創造された世界に憧れていた。

手の届く範囲をおろそかにしていた。

 

半径3メートルの、狭いスペース。

僕の手が届く世界はきっとそんな程度。

小さすぎて、思い描いた世界との距離にうんざりするけれど、手の届くところからはじめるしかない。

 

半径3メートルのリアル。

目をつぶって見ないようにしてきた本当の世界と徹底的に向き合ってみようと思う。

 

 

辛くなったら「逃避」すればいいし。

はじめ方

何かをはじめることと、はじめたことを続けるのは全く違う作業なんだろうなぁ。

 

ものごとの始め方を知ってる人はどれだけいるんだろう。

知っているけれどやらないだけなのか。

それとも知らないからやれちゃうのか。

 

もしかして知識を得るために行動してる…?

知らない「から」動けない人と、

知らない「から」動けちゃう人と。

 

続けることは楽だから続けちゃうのかな。

続けてたものを辞めないとはじめられないのだろうか。

 

選択するのって難しい、ような気がする。

持っているものなんてないに等しいのに、そこから資源が減ってしまうことを恐れている。

 

端的に言うと会社辞めたい。

楽しくてお金稼げる仕事したい。

眠い。

結婚式が終わって

新婦さんはじめましてだったけど、新郎の人柄が出た素敵な式でした。

 

新郎は自分が辛い時も変わらず接してくれた友達だから、なんだか途中でうるっと。

出席できてよかったなぁ。

 

 

友だちの結婚式に出ると「おめでとう」と一緒に少し苦しい気持ちになる。

 

友達が立派に見えて。

それに比べてダメダメな自分と大きな差があるようで。

自分に当てはめようとして当てはめられなくて苦しくなるのかな。

 

とにかくおめでとう。

みんなあそこに立つまでに色々とあっただろう。

辛いのは自分だけじゃないぞ。

パワースーツだっけ?

高校の友達の結婚式で軽井沢へ向かう。

出会ってから15年が経っていると思うと時間の速さを感じる。

 

「え、もう俺30歳なの?!」

 

「そうです、あなたは紛うことなく30歳なんです。」

 

思い描いていた人生とは違うなぁ。

周りの友達が立派に見えて、全力で目を逸らそうとしてきた劣等感が頭をもたげる長野新幹線7号車。

 

 

 

現状を言い訳するのは容易いけれど、それを許さない自分がいるから生きづらいなぁ。

 

人間、誰しも何かにすがらないと苦しくなっちゃうのかな。

お金だったり、恋人だったり、犬だったり。

 

苦しい人に「すがるな!自分の力で立て!」なんて言うドSなことは僕にはできない。

ていうか、そんなこと言われたくない。

 

「うるせぇ!立てるなら立ってるわ!」

なんて言ってみたいけどね。

実際には不機嫌そうに黙るだけですけどね。

 

 

何かに寄りかかっていても、その姿勢が美しかったらいいんじゃない?

寝そべってたってセクシーな人はいるしね。

むしろ寝そべってる方がエロい、とかね。

 

ひとりで仁王立ちしてる30歳の男なんて怖いだけだし。

話しかけづらいし。

好かれないし。

むしろ嫌われ…

 

まぁひとりでスマートに立てる人はそのままで、

腰やら膝が痛くてひとりじゃ立っていられない人は何かに掴まったらいいんじゃないかな。

パワースーツとか着たっていいし。

工夫してテクノロジーに頼ろうぜ。

 

ひとりで立つだけが人生じゃないぞ。

(自分に言い聞かせるように)

 

 

軽井沢まであと22分。